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大気汚染防止とコスト削減を両立!自社に最適な「VOC処理装置」6つの方式と選び方

塗料、インキ、接着剤、洗浄剤など、製造業のあらゆる工程で使用される有機溶剤。これらが揮発して気体となったものが「VOC(揮発性有機化合物)」です。

大気汚染防止法による排出規制の強化に加え、近隣への悪臭被害の防止、そして近年のESG経営(環境配慮)の観点から、工場から排出されるVOCの適切な処理は、企業にとって避けては通れない重要な課題となっています。

しかし、「VOC処理装置」と一口に言っても、その処理方法は様々です。「とりあえず導入したものの、ランニングコストが高すぎて利益を圧迫している」「排気量が多すぎて装置が巨大化してしまった」といった失敗を避けるためには、自社の排出条件に合った方式を選ぶことが不可欠です。

今回は、VOC処理の基本となる6つのアプローチと、それぞれの最適な使い分けについて解説します。

【豆知識】「VOC」か「VOCs」か? 英語では複数の化合物を指すため「VOCs」と複数形で表記するのが厳密には正しいですが、日本の製造現場や環境省などの行政文書では、読みやすさや検索のしやすさから「VOC」と表記するのが一般的なスタンダードとなっています。

VOC処理装置の2つの大きな方向性

VOCを処理する方法は、大きく分けて「燃焼(分解)して無害化する方式」と、「吸着させて回収(再利用)する方式」の2つに分類されます。

排ガスの「風量(多いか少ないか)」と「VOCの濃度(濃いか薄いか)」、そして「再利用のメリットがあるか」を基準に、最適な方式を検討していくのが設備選びのセオリーです。

島川製作所が提案する6つのVOC処理ソリューション

長年にわたり「熱と風の制御技術」を蓄積してきた島川製作所では、お客様の細かな排気条件にジャストフィットするよう、多彩なジャンルのVOC処理・脱臭装置を設計・製作しています。

① 触媒燃焼式排ガス処理装置(NMD・MDシリーズ)

【特徴】省スペース・低ランニングコストのスタンダード 白金などの貴金属ハニカム触媒を使用することで、通常の燃焼よりもはるかに低い温度(300〜350℃程度)でVOCを酸化分解する装置です。

強み: 低温処理のため燃料費や電気代を大幅に抑えられます。熱交換器を搭載し排熱を再利用する省エネ設計で、VOC除去率は95.0%以上を誇ります。コンパクトなパッケージ型は、研究室や局所的な排気対策にも最適です。

② 蓄熱触媒燃焼式脱臭装置(RCO)

【特徴】「触媒」と「蓄熱」のハイブリッド!究極の省エネモデル 後述するRTO(蓄熱燃焼式)の高い熱回収システム内に、貴金属触媒を組み合わせた先進的な方式です。

強み: 蓄熱体によって熱を逃がさない仕組みに加え、触媒の働きによって燃焼温度を300℃前後(RTOは800℃以上)まで大幅に引き下げることができます。「RTO単独では自燃できないような、さらに低濃度の排ガス」を大風量で処理する場合において、バーナーの燃料消費を極限まで抑えられる究極の省エネ装置です。

③ 蓄熱燃焼式脱臭装置(RTO)

【特徴】圧倒的な熱回収率で大風量に対応 セラミックなどの蓄熱体を利用し、燃焼室の熱を極限まで逃がさずに再利用するシステムです。

強み: 最大97%という極めて高い熱回収率を実現。自燃(VOC自身が燃える熱だけで処理温度を維持すること)しやすいため、大風量・低濃度の排ガスをランニングコストを抑えて処理したい場合に絶大な威力を発揮します。

④ VOC濃縮+燃焼処理システム(濃縮ローター+触媒燃焼/直接燃焼)

【特徴】大風量ガスの処理設備を「ダウンサイズ」する画期的システム ゼオライトなどを用いた濃縮ローター(吸着装置)で大風量・低濃度の排ガスからVOCだけを吸着させ、その後少量の熱風で剥がす(脱着する)ことで、ガスを「少風量・高濃度(10〜20倍)」に濃縮してから燃焼装置へ送るハイブリッド方式です。

強み: 燃焼装置へ送る排ガスの風量を1/10〜1/20程度まで減らすことができるため、後段の処理装置を劇的に小型化できます。「大風量だから大きな処理設備が必要」という常識を覆し、初期投資とランニングコスト、設置スペースのすべてを大幅に削減します。

⑤ 直接燃焼式脱臭装置(DTO)

【特徴】高濃度ガスや特殊な臭気を確実に焼き切る バーナーの炎で排ガスを高温(700〜800℃)に加熱し、直接燃焼・熱分解させる最もシンプルで強力な方式です。

  • 強み: 触媒の劣化(被毒)の原因となる成分が含まれているガスや、引火の危険がある非常に高濃度のVOCなど、他の方式では処理が難しい過酷な条件でも、安定して確実に酸化分解することができます。

⑥ 溶剤回収装置(Kフィルター搭載型など)

【特徴】「捨てる」から「再利用する」循環型モデルへ VOCを燃やして捨てるのではなく、高性能なフィルターに吸着させて回収し、液体の溶剤に戻す装置です。

強み: 従来の活性炭よりも吸脱着性能に優れた「Kフィルター」などを活用。高純度な溶剤として回収・再利用できるため、新しい溶剤の購入コストを劇的に削減でき、装置の導入費用を早期に回収することが可能です。

さらなるランニングコスト削減の鍵:「風量可変制御」

最適な処理方式を選ぶだけでなく、日々の「操業状態」に合わせた運転コントロールも、省エネを実現する上で欠かせない要素です。

工場の生産ラインは常に100%のフル稼働をしているわけではなく、時間帯や生産品目によって排ガスの量や濃度は変動します。島川製作所では、お客様の実際の操業状態(排気量の増減)に合わせて排風機の回転数などを自動で最適化する「風量可変制御」を組み込んだシステム提案を得意としています。

オーバースペックな運転を極限まで減らし、必要な時に必要な分だけ稼働させることで、最適な装置選びと相まって究極のランニングコスト削減を実現します。

まとめ:設備選びは「排出条件の見極め」から

VOC処理装置は、一度導入すれば長く稼働し続ける重要な環境インフラです。

  • 小風量〜中風量なら「触媒燃焼」
  • 低濃度・大風量なら「RCO」「RTO」あるいは「濃縮+燃焼方式」
  • 高濃度・特殊ガスなら「直接燃焼(DTO)」
  • 再利用の価値が高い溶剤なら「回収装置」

このように、「どのくらいの風量で」「どんな種類の溶剤が」「どのくらいの濃度で」排出されているのかを正確に把握することが、初期投資とランニングコストを最適化する最大の鍵となります。

「現在の処理設備の維持費が高くて困っている」「規制強化に合わせて新たに導入したいが、どれを選べばいいか分からない」といったお悩みがございましたら、豊富な選択肢とオーダーメイドの設計力を持つ島川製作所へぜひご相談ください。お客様の現場に最適なシステムを一気通貫でご提案いたします。

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