協働開発のご相談はこちら

技術領域

technology

「なぜ」から始まる、
SHIMAKAWAの設計思想。

島川製作所が70年かけて積み上げてきたのは、課題への向き合い方です。
装置の形よりも先に、「なぜそれが必要か」を聞くところから始まります。

乾燥、熱処理、排ガス処理——。

手段はさまざまでも、根っこにあるのはひとつ。
化学や物理の原理を理解したエンジニアが、最初の相談から設計・製造・試運転まで一貫して関わる。

その積み重ねが、島川製作所の技術そのものです。

熱の制御 THEME.01

素材を変質させずに、
熱をあたえる

「素材を乾かしたい」「焼成したい」「改質したい」。
目的はシンプルでも、現場では複雑な条件が絡み合います。

熱をかけすぎると変質する、温度ムラが出ると品質がばらつく、時間がかかりすぎてラインが止まる。
1つひとつの熱の制御課題に、島川製作所は原理から向き合ってきました。

よく持ち込まれる課題

  • 温度と時間の制御

素材ごとに「どの温度で、どのくらいの時間、どんな雰囲気で処理するか」が変わります。
水分量、溶剤の種類、形状、無酸化条件の要否——条件を丁寧に聞き取り、最適な方式を提案します。

  • 熱の伸びと強度設計

高温環境では金属が熱で伸び、構造がゆがみます。
熱による伸びを逃がす設計と補強のノウハウを長年かけて蓄積してきました。
通常は電気炉が必要な750℃の温度帯の高温処理を、熱風循環式の装置で実現した実績もあります。

  • 均一な温度履歴

一般的な傾斜式のキルンでは、壁面付近の素材と中央部で温度履歴に差が生じます。
島川製作所のロータリーキルンは螺旋構造により前進・後進が自由で、炉内での滞留時間を精密に調整できます。
温度履歴が均一で、熱処理の再現性が高いことが特長です。
リチウムイオン電池材料など、想定外の金属混入が発火に直結する素材では、内張構造による厳格な汚染防止設計も欠かせません。

  • 新素材への対応

最適な乾燥・焼成方法がまだ世の中に存在しない素材が持ち込まれることがあります。
少量のサンプルで小型装置による検証を行い、結果をもとに実機装置の設計へ進む。
NDA(秘密保持契約)を結んだうえで、双方の知見を持ち寄りながら進めます。

島川製作所の向き合い方

現場の条件を丁寧に聞き取り、化学や物理の原理に照らして最適な方式を提案する。
あきらめずに調整してやり切る姿勢が、島川製作所の熱処理技術の根幹です。

これまでの技術エピソード

EPISODE.01 パイプの内側を乾燥させる
という難題

「パイプの内側を乾燥させたい」という相談がありました。
外側から風を当てるだけではパイプの内側に熱風が届かない。お客様の作業性を考慮し、扉から熱風が噴き出す独自の構造を考案し、パイプ内部への均一な熱風供給を実現しました。
既製の乾燥機では構造上そもそも対応できない要件でしたが、原理から設計を組み直すことで答えを出しました。

EPISODE.02 複数の工程を
ひとつにまとめて解決

複数の装置を使い、人手でワークを移し替えながら複数の温度帯で処理していた工場がありました。
温度帯をまたぐ搬送のたびに品質がばらつき、作業者の負担も大きかった。
デモテストを重ねた末、シャッター式のコンベア乾燥機で複数温度帯の連続制御を提案。
ワークケースを入口へ自動で戻す機構も加え、複数の悩みを一度に解決しました。

気体の制御 THEME.02

有害物質を、安全に
処理・回収する

アンモニア、水素、CO2を廃棄物ではなく資源として回収・再利用する流れが着実に広がっています。
島川製作所は、20年以上にわたってVOC処理・回収装置を手がけてきました。

その経験が、次世代の資源回収技術の土台になっています。

よく持ち込まれる課題

  • 生産設備から発生するVOC(有機溶剤蒸気)の処理
  • 既存技術では対応が困難な「特殊ガス」の処理
  • 海外の規制強化に対応する排気処理設備の検討
  • アンモニア・水素・CO2など次世代エネルギー関連ガスの分離・回収
島川製作所の向き合い方

お客様から、発生源や処理対象ガスの排出濃度などを十分にヒアリングしたうえで、最適な処理装置をご提案させていただきます。
日本における大気環境問題は1950年以降発生し、公害対策基本法や大気汚染防止法によって規制されてきました。特に酸化エチレンガスは1996年に、環境省から大気汚染優先取組物質に選定されました。
当時、さまざまな処理装置メーカーが参入しましたが、大半はその後姿を消しています。
島川製作所は当時から環境省のETV事業(環境技術実証事業)に参加するなど、取り組みを続けてきた数少ないメーカーのひとつで、近年の規制強化にともなう需要の高まりのなか、環境省からのヒアリングを複数回受けています。
また、混合気体の中から特定の成分だけを取り出して再利用する「高純度ガス回収」では、お客様との協働、社内のアイデア、外部の物理学博士との仮説検証、3D設計技術を掛け合わせ、独自の手法で高濃度高回収率を達成しました。

これまでの技術エピソード

EPISODE.01 誰もやったことのない
ガス処理を突破!

アンモニア排気の処理で、NOx(窒素酸化物)をほとんど出さずに触媒燃焼させるという難しいご依頼がありました。

触媒の温度域とアンモニア濃度のバランスを少しでも外すとNOxが急増する。

当初は仕様を満たせず返品の危機に直面しましたが、粘り強く改造と検証を繰り返し、画期的な処理の仕組みを発明。
条件変更があっても繰り返し受注をいただき、今では事業の柱のひとつに育っています。

EPISODE.02 追従運転とラニングコストの
大幅減少を実現

VOC処理装置の大型化に伴い、お客様の生産ラインの稼働率によって、低負荷時にランニングコストが増大する事象が発生しました。
VOC処理装置への負荷量を判定し、負荷量変動に追従可能な処理装置を開発しました。以来ご指名でお仕事をいただけるようになり、30年近いお付き合いが続いています。

発明の伴走 THEME.03

世の中にない装置を、
原理と経験から設計する

「こういうことをしたいが、どんな装置になるかわからない」。

島川製作所にはそんな相談が珍しくありません。
仕様未確定、前例なし、他社に断られたという案件ほど、化学や物理の原理を理解したエンジニアが最初から関わることの意味が大きくなります。

よく持ち込まれる課題

  • 手法が定まっていない

「繊維を熱処理して、バインダーを完全に飛ばしたい」など、目的は明確でも装置の形が見えていないケース。
バインダーの化学的性質や分解温度を踏まえないと、条件設定の根拠が出てきません。

  • 形は見えているが、条件が複雑

「連続処理の仕組みを作りたい」など、水分量・腐食性・無酸素雰囲気・温度時間の細かな調整が必要なケース。
変数が多く、1つ変えると別の条件に影響が出ます。

  • まったく新しい挑戦

「特定の原理を使ってガスを処理できないか?」など、実現可能な装置構成の提案から始めるケース。
原理の成立を確かめる仮説検証から始まります。

島川製作所の向き合い方

化学や物理の原理から発想し、実際に動く装置として作り上げるまでを一貫してできる会社は、多くありません。「考える力」を持つ会社と「作る力」を持つ会社は、たいてい別々に存在しています。 加えて、島川製作所の規模だからこそ、特定のお客様の秘密保持案件に会社全体で集中して取り組めます。大手には踏み込めないニッチな領域に、深く入っていけるのが、島川製作所のポジションです。

これまでの技術エピソード

EPISODE.01 アンモニア・水素・CO2
回収への挑戦

アンモニアや水素を高純度で分離・回収する中型の実験装置を設計・製作しました。
吸着材の選定から再生サイクルの設計、圧力制御まで、ガスプラントメーカーが大型装置で行うことを小規模で実現する必要がありました。
高純度のガスを高効率で回収することに成功しており、今後は仕組みをよりシンプルにしてご提案することも計画しています(秘密保持あり)。

EPISODE.02 排ガスを「捨てる」から
「使う」時代へ。
CO2回収装置の設計

CO2回収装置の基礎設計にも取り組んでいます。
排ガスを燃やして捨てる時代から、回収して再利用する時代へ。

再生エネルギーコストをどう下げるかが技術的な課題で、費用対効果に見合う装置の設計を積み重ねています。

安全設計 THEME.04

動かし続ける。
安全に、長く

制御設計で最初に考えるのは安全性と作業性です。

例えば溶剤を扱う装置では、溶剤濃度が爆発下限界を超えると爆発の危険性があります。
溶剤の蒸気圧と爆発範囲を把握したうえで、安全なシステムフローと制御を設計します。

「なんとなく安全そう」ではなく、理屈として安全な設計を追求しています。

よく持ち込まれる課題

  • 新規装置の制御設計(使いやすく、安全に)
  • 既設装置の安定化・異常対応の改善
  • 過酷な環境(粉塵・高熱・腐食性ガス)での長期稼働
島川製作所の向き合い方

緊急時の安全回路はシンプルであるべきだと考えています。複雑なシステムはいざというときに人が判断しにくい。シンプルな回路が、本当の安全を守ります。

センサ選定でも妥協しません。耐雰囲気性能(IP規格)、耐熱性能、耐腐食性など、割高になっても環境に合ったものを選び、制御ソフトは極力シンプルに、設計強度にも余裕を持たせる。1つひとつの慎重な選択の積み重ねが、長く使える装置を作ります。

搬送装置などの自動化については、すべて社内で完結させるわけではありません。協力会社と連携しながら、できることの範囲を広げています。

これまでの技術エピソード

EPISODE.01 レシピ機能と遠隔監視で
現場を支える

処理条件をレシピとして登録・呼び出しできる仕組みを整えています。

段取り替えの手間が減り、再現性が上がる。
工場内での遠隔監視にも対応しており、異常の早期発見や運転状況の把握に役立てていただいています。
異常発生時はお客様からログデータを送っていただき、原因解析に活用しています。

EPISODE.02 多岐にわたるセンサで、
安全を確保する

装置内部の溶剤濃度監視や温度監視、装置周辺のガス濃度監視、酸素濃度監視などを通じて作業者の方の安全を確保します。
また、想定外の状態が発生した場合には装置が安全に停止します。

これらは、島川製作所の設計の基本であり、SHIMAKAWAの製品をご使用いただくお客様への安心の約束です。

これからの技術領域 FUTURE

自社技術にこだわらず、他社の優れた技術とのコラボレーションも視野に入れ、経験と目利き力を活かしさまざまな分野に取り組んでいます。

FUTURE TECHNOLOGY.01 水素・アンモニア対応

大手ガスプラントメーカーが手を出しにくい小規模レベルで、高品質な分離・回収をどう実現するか。
すでに取り組みを進めています。

FUTURE TECHNOLOGY.02 CO2回収

排ガスを燃やして捨てる時代から、回収して使う時代へ。
費用対効果に見合うCO2回収装置の基礎設計に取り組んでいます。

FUTURE TECHNOLOGY.03 新しい分離技術の可能性

ゼオライト吸脱着にとどまらず、深冷却分離など複数の手段を検討しています。
課題に合わせて最適な方法を選ぶ姿勢を大切にしています。

SHIMAKAWA's FOUNDATION 4つの課題を貫く、
島川製作所の土台とは?

島川製作所の強さは、設備の充実度より先に、原理を理解した人間が全工程に関わること
有機溶剤の挙動、ガスの比熱・比重、熱量計算、電気設計、爆発範囲と安全設計に至るまで、化学や物理の知識を持つエンジニアが、ヒアリングの最初から設計・製造・試運転まで一貫して担います。

  • ヒアリングで見落とさない。
  • 設計で理屈を通す。
  • 製造で作り切る。
  • 試運転で動かす。

特に、緻密な電気設計と制御プログラムは、装置に命を吹き込む重要な工程です。経験豊富な技術者が自ら試運転に立ち会い、実際の動きを現場でシビアに確認・調整しきることで、お客様に「確かな安心」をお届けしています。

CONTACT 特注装置・オーダーメイド機械のご相談

ご相談は、最初の対話から技術者が答えます

仕様が決まっていなくても構いません。
「こういうことをしたいが、どんな装置になるかまだわからない」という段階からお気軽にどうぞ。
まず課題を共有していただくことから、SHIMAKAWAの支援が始まります。